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ヘッドフォンをして大音量で音楽を聴きながら歌詞を口ずさむと、耳を介さずに自分の声が聞き取れます。また、カセットテープに録音した自分の声をきくと、「こんな声じゃないはず‥」と感じてしまうことがあります。これは、私たちが発した声が自分の聴覚器官に届くのに、ふたつの伝達経路があるからなのです。
音とはもともと空気を振動させて伝播するものです。
普段人が音を聞く場合、空気を伝播してきた音が鼓膜を振動させ、『蝸牛』と呼ばれる聴覚器官を通し聴覚神経を伝達し、脳が音として認識します。
これがひとつめの伝達経路である『気導音』です。
そしてもうひとつは、空気をまったく介さず鼓膜も関与せず、自分の頭蓋骨から直接蝸牛以降の聴覚神経に伝わってくる経路です。これを『骨導音』と呼びます。
カセットテープの自分の声は、気導音のみが録音され、骨導音は録音されていません。 それで自分の声がいつも自分で聞いているのと違った音に感じるのです
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かの音楽家ベートーベンは晩年耳が聞こえにくい状態にありました。しかしかれは一度は絶望のふちに立たされながらも音楽活動や作曲をやめる事はありませんでした。彼は指揮に使うタクトを口にくわえると、ピアノの音が振動としてタクトを通じて聴覚器官に達することを音楽家の情熱で発見したのです。また、海に住むクジラも体表面に耳がありません。くじらは、自分の骨を聴覚の道具として使い、『骨導音』で音を聞いていることが知られています。
この『骨導音』を利用した音を聞く方法そのものを『骨伝導』と呼びます。
骨伝導では、電気信号に変換された相手の音声を振動に変換して、頭蓋骨を通して蝸牛に振動が伝わります。
障害箇所に影響されずに音声を脳まで伝えることができますので、音声を明瞭に聞き取ることができます。
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